旅のプロが羽田空港で過ごす1日 第1ターミナル・第2ターミナル編

2025/07/16

予期せぬ出来事から羽田空港に長時間滞在することになった…という、トラベルズー編集部員。しかし、トラブルはあったものの「いくらでも楽しく過ごせた!」と言います。これはつまり、空港は「通過点」ではなく「旅の目的地」としても楽しめるのでは…?

航空サービスリサーチ会社・スカイトラックスのランキングでは、世界のベスト空港第3位にも選出されている羽田空港。1日かけてじっくり空港内を散策すると、新店舗や穴場スポットも見つけられました。今回は第1ターミナルと第2ターミナルを、次回は第3ターミナルと羽田エアポートガーデンを紹介します。これから旅行で羽田空港を利用する予定の人は、ぜひ参考にしてみてください。

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■手土産を探せる新スポットが誕生、第1ターミナル

羽田空港のなかでも国内線の発着航空会社数が多い、第1ターミナル。主にJALやスカイマーク、スターフライヤーなどが発着しています。その第1ターミナルの出発階・2階の土産物店が集まる「マーケットプレイス」に、「HANEDA STAR & LUXE」が今年2/20に開業。日本の伝統的な和菓子や話題のスイーツから、トルコやフランスの有名スイーツまで全13店が揃います。

気になったのはトリュフクロワッサン(650円)。1つが大きいので食べ応えがありそうでした。クロワッサンやパンオショコラなど6個入りのギフトボックスもあり、手土産に地元に帰る…なんておしゃれなことも叶います。

おしゃれな内装が目を引いたのは、クロワッサンやサブレが並ぶ、鎌倉のデザートレストラン「Regalez-Vous(レガレヴ)」の空港初店舗。

一番人気の「椰子の白わらび餅」は、午前中には売り切れることも。この店舗ができる前は、オンラインショップと『帝国ホテル 東京』だけで販売していたそう。オンラインショップでも入荷と同時に完売になるほどの幻のスイーツ。とても気になりましたが、1つ3,888円とご褒美スイーツ価格だったので、次回チャレンジすることに。

神楽坂のミシュラン料理店「神楽坂 石かわ」の店主などが集結して作られた「いったつみとらどう」は、Instagramなどでも話題のスイーツ「椰子の白わらび餅」で有名。このエリアにはほかにも、トルコ伝統の焼き菓子バクラヴァの専門店などもあり、手土産を探すには最適。


■全国産直巡りもでき、昼時でも空いてる穴場フードスポット2選

「マーケットプレイス」の奥にあるのが、「羽田産直館」。今までその存在にまったく気が付いていませんでしたが、2023年12月に開業していました。全国のご当地グルメが集まっていて、フードコートのほか、全国の新聞社提供の地元雑誌などを読めるライブラリーも併設されています。

店内の奥には座席数も多めのイートインコーナーがあり、昼時でもあまり混雑していませんでした。ラーメンがメインなので、見ていると提供時間も早い様子。席間隔も広めなので、ベビーカーを持ち込んでも余裕がありそうです。

同じく2階にある「北海道どさんこプラザ 羽田空港店」では北海道土産を購入できますが、その店舗内の階段を上った2階には隠れた軽食スポット「ノースカフェ&BEER」があります。

入口がわかりづらく、店舗内にある階段のみのアクセスとなり、知る人ぞ知るスポットになっているのかも。平日午後1時過ぎに訪れた際は、利用客は2名のみ。店内ではアイヌ民族の展示と、北海道の美しい映像が流れていました。根室のご当地グルメ・エスカロップや、道産ソーセージのホットドックを北海道のビールとともに味わえます。

■旅の安全を祈願、羽田航空神社は1階に

あまり知られていないのですが、第1ターミナルには航空業界の躍進と航空安全輸送を祈念する羽田航空神社があります。

歯科医院の奥の部屋にあるため、案内板がなければ辿りつけない穴場中の穴場です。1階・到着階の奥にひっそりとあるので、時間に余裕がある際には、出発前に旅の安全を祈願してから飛び立ってみるのも、羽田空港ならではの体験。

■ターミナルごとに航空機の見え方が異なる展望デッキ

空港といえば、展望デッキは外せません。第1ターミナルの展望デッキは6階・屋上階と2階構成になっており、第2ターミナルや第3ターミナルと比較して、高い位置からのアングルで飛行機を望めます。

ターミナルの展望デッキごとに見え方は異なるので、自分好みの展望デッキを探すのもおすすめ。

■展望デッキよりも間近で飛行機が見える、隠れスポット“スタバ”

私がおすすめするビュースポットは、5階のTHE HANEDA HOUSEエリアにあるスターバックスコーヒー。

一般乗客よりも空港関係者と思われる人の利用が目立ち、テーブルや椅子も多いので、PC作業をされている人も多くいました。あまりこのエリアは知られていないようで、エリア全体が空いていました。スターバックスコーヒーの飲食スペースは滑走路ビューで、離発着する飛行機を飽きることなく眺められます。

■本格フライトシミュレーターでフライト体験も

同じTHE HANEDA HOUSEエリアの一番奥にあるのが「ラグジュアリーフライト」。本格フライトシミュレーターの体験施設で、手軽なコースは15分で3,850円。筆者大興奮のフライトシュミレーターについては、またの機会に紹介しますので、お楽しみに!

現役パイロットや飛行機マニア、パイロットを目指す子どもたちまで誰でも受付可能で、夏休みはとくに混み合うそう。どのぐらい本格的かというと、航空会社の採用試験に使用されるほどの設備で、1台で1億円近く投資されているとの店員さんの情報も。

■空港散策で疲れたら行きたい、足湯カフェ

第1ターミナルだけでも見どころが多く、そろそろ疲れてきましたよね。そんな場合には3階の「足湯カフェ&ボディケア LUCK」へ。テーブルごとに個別で足湯に浸かれるので、周りを気にすることなく寛げます。

マーケットプレイスがあるエリアの3階とは繋がっておらず、2階の出発ロビーからP1駐車場へと進むエスカレーターを上ったところにあるため、隠れた癒やしスポットになっています。ハーブティー付きで45分1,200円~となり、旅の前にもリフレッシュできそうです。

■羽田空港唯一の「食べログ」百名店

グルメレビューサイト「食べログ」が毎年発表している、ジャンル別にとくに高評価を得た飲食店100店を選出するランキング“百名店”。そのうどん部門に選出されたカレーうどん専門店が、空港内にあるのを知っていますか。2020、2022、2024年に選出されており、羽田空港のなかで唯一の百名店です。

和出汁とスパイスのきいたカレーが、細麺のうどんに絡み、食べやすい辛さでした。店内に入ってからの着丼は早いので、行列があっても挑戦する価値はあります。うどんとセットで、ピクルスと割り出汁、ご飯が付き1,600円~。紙エプロンも用意されているため、旅行前でも安心して食べられます。第1ターミナルの出発階・2階にあり、行列ができていることもしばしば。第2ターミナルの4階に2号店もあります。

■第2ターミナルの新スポット、国際線エリアはまるでパリの空港

ANAの国内線が離発着する第2ターミナル。コロナ禍で休業していた国際線ターミナルが2023年7月に再開され、インバウンド客も多い傾向にあるのが、最近の第2ターミナルです。

国際線エリアは、アーチ形状の屋根や色合いなどが、パリのシャルル・ド・ゴール空港に似ており、海外気分に浸れます。国際線ターミナルの2階にはスターバックスコーヒーと蔦屋書店が運営するBook and Cafeがあり、こちらも穴場。広いテーブルで読書しながら、コーヒーブレイクもできます。

■第2ターミナルの展望デッキは、見渡す限りANA機材

ANAの国内線・国際線の離発着を見たいのであれば、第2ターミナルの展望デッキは外せません。展望デッキには、レストランやカフェもあり、コース料理を堪能しながら滑走路を眺めている人たちも。

取材時はあいにくの曇り空でしたが、滑走路は間近にあるため、展望デッキからは離発着の様子や、迫力ある飛行機のエンジン音などを聞くには問題なし。

第2ターミナルの展望デッキからは、左奥にスカイツリー、正面奥には東京ゲートブリッジなど見られます。

ANAファンにはたまらない、第2ターミナルの展望デッキ。東京の夜景とライトアップされた滑走路を一度に見たいのであれば、おすすめ。

■各国グルメが揃うフードコートも

第1ターミナルの場合、レストランはマーケットプレイスエリアに集中していますが(現在、第1ターミナル地下にあったフードコート「東京シェフズキッチン」は営業終了し、改装工事中)、第2ターミナルでは、出発ロビーを眺められる3階にフードコート「UPPER DECK TOKYO」があります。

右側がフードコート。韓国料、中華、トルコ、ハワイ料理、ラーメンやうどんなどをリーズナブルに楽しめます。出発まで時間がないときでも、セキュリティチェックも近く、サクッと食べられます。

■ターミナル間の移動は無料シャトルバスも

ターミナル間を移動する際に一番早い方法は、電車やモノレールを使うことですが、第1ターミナルと第2ターミナル間の移動では、荷物が少ない場合には徒歩移動もおすすめです。地下1階には2つのターミナルをつなぐ連絡通路があり、徒歩約7~10分でターミナル間の行き来が可能。また、時間に余裕がある場合には、ターミナル間をつなぐ無料のシャトルバスも利用できます。

第1、第2ターミナルでは各到着階の外に、第3ターミナルでは1階の外にバス停があり、6:00~23:00頃まで5~10分間隔で運行しています。国際線が到着したタイミングなどだと、混み合って乗車できないことも。私も取材時には、2台見送りました。時間に余裕を持って利用したいです。

羽田空港の第1・第2ターミナルの見どころ、ほかにも伝えたいことはたくさん。各ターミナルには記念スタンプが設置されていたり、第2ターミナルには沖縄生まれのアイスクリームショップBLUE SEALがあったり…などなど。第1ターミナルの地下1階・フードコート跡地は現在工事中で、2025年9月完成予定となっているので、また最新情報を入手できたら併せて紹介していきたいと思います。


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