その存在は“秘密の宝石” イタリア通が恋した世界遺産 「5つの村」を訪ねて

旅行を計画する際のお悩みに、旅行のエキスパートが集うトラベルズー編集部スタッフが応えます。「ホテルはどこに泊まればいいの?」「定番ではない穴場はどこ?」「おすすめのお店は?」…などなど、おさえておきたい耳より情報が満載です。今回は、イタリア帰りのスタッフが感動したという世界遺産について聞きました。
【この人に聞きました】Kaori Miyajima
ほぼ月に1回は国外に飛び出している、トラベルズー編集部で最もフットワークが軽い海外旅行の達人。仕事にプライベートに、20年以上、海外を飛び回ってきた“渡り鳥”のような存在です。旅慣れた海外旅行の上級者向けに、定番ではない、一歩先行く旅のヒントを紹介しています。旅先で撮影する写真は1日あたり数百枚。記憶にも記録にも残る1枚を撮影できる場所探しも得意です。
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Q、「チンクエ・テッレ」って何ですか?イタリアのどこにある?
A、チンクエ・テッレとは「5つの土地」の意味で、イタリア北西部・リグーリア海岸に連なる「リオマッジョーレ」「マナローラ」「コルニリア」「ヴェルナッツァ」「モンテロッソ・アル・マーレ」の5つの小さな村の総称です。
カラフルな家々が断崖にへばりつくように並び、目の前には紺碧の海。まるで絵本の中に迷い込んだような絶景で、1997年に世界遺産「ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレ及び小島群(パルマリア、ティーノ及びティネット島)」にも登録されています。
Q、なぜ「チンクエ・テッレ」を旅行先に選んだのですか。
A、イタリアといえばローマやフィレンツェ、ヴェネツィアが王道ですが、「まだ知らないイタリアに出会いたい」と思った時に浮かんだのがチンクエ・テッレでした。また、わたしはバジルが大好きなのですが、イタリアの中でも高品質のバジルの産地であるリグーリアでバジル三昧をしたい!という夢がありました。
Q、ヨーロッパを数々渡り歩いてきた旅行のエキスパートから見て、「チンクエ・テッレ」に行くべき理由とは?
A、一言でいうと「唯一無二の風景」。海と断崖とカラフルな家々が織りなす景観といえば南イタリアのアマルフィ海岸も有名ですが、強大な都市国家だったアマルフィと違い、チンクエ・テッレは漁や畑仕事を生業としてきた村。観光地化されつつあるとはいえ、素朴な暮らしや漁村の空気感が色濃く残り、“秘密の宝石”がひっそりと輝いている…。そんな存在が、チンクエ・テッレです。
Q、「チンクエ・テッレ」で何をして過ごしましたか?
A、拠点の「ラ・スペツィア」から5つの村を順番に訪ねていきました。
まず(村1)リオマッジョーレからお隣の(村2)マナローラまでは有名な「愛の小道」という絶景の遊歩道を歩き(約30分)、「マナローラ」では念願の本場のジェノヴェーゼとここでしかとれないワインを堪能。
「マナローラ」に1泊した後は、列車でしか行けない(村3)コルニリアへ(※)。そこ食べたバジルのジェラートは、今まで食べたジェラート史上最高のお味でした。
次の(村4)ヴェルナッツァは“リアル・ディズニーシー”のような雰囲気の中ショッピング、唯一砂浜がある5つ目の(村5)モンテロッソ・アル・マーレ」では海に足を浸して楽しみました。
※編集部注:チンクエ・テッレ間を結ぶ定期船(スタッフが拠点にしたラ・スペツィア, レーリチやポルトヴェネーレと、リオマッジョーレ・マナローラ・ヴェルナッツァ・モンテロッソ間)の2025年の営業は11/2まで。例年、3月下旬から11月上旬までの運航です。
参考:定期船運航会社「The Maritime Mobility Consortium」
Line 02 Cinque Terre(Riomaggiore, Manarola, Vergazza, Monterosso)
Q、日帰りと現地に1泊、どちらがおすすめですか?
A、断然「1泊」がおすすめです!もちろん2泊しても3泊しても飽きることはないでしょう。
チンクエ・テッレを訪ねるフィレンツェ発の日帰りツアーも多いのですが、夕方になると日帰り客が一斉に帰り、村には静けさが戻ります。その時間こそ、本物の街の姿を感じられる瞬間。家々が月明かりに照らされ、波音だけが響き、翌朝は鐘の音で目覚める…という映画のような世界でした。
5つの村は写真で見ると似たような感じに見えますが、実際訪れると違うので、それぞれの個性を発見しながらゆったりと過ごしてほしいです。
Q、【初めての訪問なら】イタリア主要都市から「チンクエ・テッレ」への行き方を教えてください。なんとなく、個人では行くのが難しそう。超簡単に現地に行くには一体どうしたら…?
A、実はとてもシンプルです!拠点は「ラ・スペツィア」という町で、列車でフィレンツェやミラノからは約2時間半~3時間、ジェノヴァからなら1時間ほどです。そこからチンクエ・テッレの各村へ直行できます。
各村は5分程度しか離れておらず、乗り降り自由な「チンクエテッレ・カード」を買うのがおすすめです。また、1区間でもいいので船を利用すれば、断崖に咲く花々のような村の全景を海から眺めることができますよ。
Q、【上級者なら】おすすめのレストランや見どころ、撮影スポットを教えてください。
A、各村はハイキングルートで結ばれており、どの村も少し上ったところに村全体を見渡せる絶景ポイントがあります。歩きやすい靴を履いて行き、一部でもいいので歩いてみることをおすすめします。
また、SNSなどでは船でアクセスできない唯一の村・コルニリアは飛ばしてもいい、などという情報が見受けられますが、私はここが一番気に入りました。チンクエ・テッレは5つすべて回ってこそ魅力がわかるので、ぜひすべての村を訪れてみてください。
【編集部からの一言】Kaoriさん曰く「チンクエ・テッレは、村の道が狭すぎるのと、階段で道と道が繋がっている場所もあり、Googleマップは役に立たなかったです😢おすすめレストランについては、ご紹介しても地図を見ながら辿り着くことはほぼ不可能かと思われます…💦」とのこと。よって、ここでの紹介は割愛しますが、「行きたくなった!目印やお店の名前を教えて!」という方は、Xのトラベルズー公式アカウントへダイレクトメッセージをお寄せください。編集部がレストラン名を聞き、お伝えします!
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