新潟発 佐渡島日帰りひとり旅 モデルルートと実際にかかった費用を紹介…3月上旬は穴場シーズン?

2025/03/24

新潟市でのリモートワークと合わせ、新潟発の「佐渡島日帰りひとり旅」に出かけてきました。筆者がたどった旅程を公開します。現地の方に聞いた、閑散期・繁忙期の情報も紹介します。

※バスや船の出発時間や店舗の営業時間は全て2025/3/31までの例です。最新の時刻表は公式サイトで確認してください。


■旅の始まりは新潟市でのリモートワークから

リモートワークが認められているトラベルズー編集部。「新潟市内に宿泊すれば、翌日に佐渡島へ足を延ばしやすいな…」と気づき、編集部スタッフのひとりが住む、新潟市内から勤務することにしました。選んだのは、「蔦屋書店 新潟万代」の2階にあるシェアラウンジ。新潟駅から徒歩約15~17分の場所にあり、1階が書店、2階にシェアラウンジとカフェがある複合店舗です。

「蔦屋書店 新潟万代」シェアラウンジの店内。宮城、関東、中部、関西などで展開されているシェアラウンジにも行ってみたくなります。

スマートフォンのアプリ「SHARE LOUNGE」から事前に席を予約できるので、当日の作業場所を確保できるのは旅先で業務をするリモートワーカーにはうれしいポイント。開店と同時の9時にチェックインし、18時のチェックアウトまで、1日2,200円で利用できました。フリードリンクやスナックが充実しており、時間帯によりパンのサービスもあり。

パスタスナック、ナッツ、ポップコーン、豆菓子など種類が豊富なフリースナック。米どころならではのラインアップなのか、このスナックの横には個包装の米菓が数種類並んでいました。“さすが新潟”の一言。

Wi-Fi環境と通信速度も申し分なし。8名が同時に接続するオンライン会議に参加しましたが、通信の遅延はなく、大容量の画像のやり取りにも支障はありませんでした。三方を壁とパーティションに囲まれた半個室ブース(3席)や、フロントに申告することで利用できる「会議スペース」もあるので、公共の場でありながらプライベートな環境での作業も求められるリモートワーカーに推薦できる、快適な作業環境が整っていました。


■市内に前泊すれば乗船できる、7:55新潟港発のジェットフォイル

新潟駅周辺で1泊し、チェックアウト後は新潟駅から新潟港へ。6:00か6:30に朝食のレストランが営業を開始する駅徒歩圏のホテルなら、朝食を取ってからでも、新潟駅を7:10に出発する新潟港駅行きのバスに乗車できます。乗り場は17番の「朱鷺メッセ・佐渡汽船線」。

日帰り佐渡島の場合、現地での滞在時間を長くとるなら、新潟港を最速で出発する6:00のカーフェリーに乗りたいところ。しかしながら、東京駅から新潟駅に向かう新幹線は、最速でも8:10新潟駅着なので、乗船に間に合いません。新大阪から新幹線で新潟へ向かう場合は、一度東京駅を経由するので、早くても10:30以降の到着となるでしょう。ところがこれを、主要新幹線駅を出発地とするのではなく、新潟駅とすれば、新潟港を7:55に出発するジェットフォイルには間に合います。

新潟港~両津港を片道約67分で結ぶ、2階建てのジェットフォイル。走行中の揺れは気になりませんでしたが、停泊時はゆらゆら。佐渡汽船によると、揺れが気になる場合は1階の中央の席が良いそうです。

今回筆者が選んだのは、まさにその、7:55に出発するジェットフォイル。佐渡汽船の公式予約サイトから、事前に座席を指定できるのは便利でした。初めての乗船なら、やっぱり窓側の席に座りたいですよね。


■両津港から、まずは混雑が予想される寿司店へ

両津港着は9:02。佐渡島は東京23区や淡路島の約1.5倍の面積を持つ、日本海側で一番大きな離島なので、日帰りでどこを巡るのかは事前に厳選しておきたいところ。今回筆者が「外せない」と判断した観光地は下記の通り。( )内には、路線バスの路線名とバス停名を記載します。

トキの森公園(南線 同名バス停あり):
学名「ニッポニア ニッポン」。国の特別天然記念物・トキの姿に会える場所。

「佐渡寿司 弁慶」の佐渡本店(本線 東大通から徒歩):
新潟市内、埼玉、東京に店舗がある、回転寿司・弁慶の本店。

佐渡金山(本線 佐渡金山前 ※相川で乗り換える方法もあり):
2024年7月に世界文化遺産に登録。佐渡観光と言ったらやっぱり外せない。

北沢浮遊選鉱場跡(本線または七浦海岸線 相川博物館前):
トラベルズーの「Top 20」でも頻繁に紹介するフォトスポット。

佐渡のパン屋さんのどこか:佐渡バターを使った、芳醇な香りのパンに出会いたい。

このうち、弁慶の佐渡本店はGoogleマップのクチコミで混雑を指摘する声が多かったので、開店の10:30より前に到着できるようにタイムスケジュールを組むことにしました。両津港を出発する佐渡交通の路線バスを利用することも検討しましたが、行きたい場所が本線と南線で分かれるため、日帰りで自由に観光するならレンタカーが“最適解”と判断し、今回は両津港付近のレンタカーを利用しました。(6時間で1台8,360円でした)。


■速足だけど…8か所で飲食&観光

--9:00~11:00
6:30から営業している、両津港 佐渡汽船ターミナル1階にあるカフェ「maSanicoffe」で一息ついたあとは、レンタカーに乗り、弁慶の佐渡本店へ向かいました。駐車場への到着は10:00ぴったり。開店時間までの時間で、駐車場から徒歩圏内にある「喜昇堂」へ移動。佐渡バターを使ったラスクや、クリームがたっぷり入ったキャラクターパン、唐揚げパン(おいしかった!)などを購入しました。弁慶の佐渡本店では、地魚を中心に5、6皿をオーダー。客の流れが絶えないので、食事後はすみやかに退店しました。ボックス席や小上がり席があり、グループでの来客も見えました。

--11:00~12:30
早めの昼食のあとは、相川エリアへ。「きらりうむ佐渡」で佐渡金山について学んだあと、米ニュース雑誌「TIME」の「The World's Greatest Places 2025」に選ばれた『NIPPONIA 佐渡相川 金山町』の外観を見に行きました。ちょうどひなまつりのお飾りを見学できる催しが行われていたので、館内に入る機会に恵まれ、ほかのお客様に混ざり客室も覗かせていただきました。

『NIPPONIA 佐渡相川 金山町』の客室に、ちょっとだけお邪魔しました。画像は「眺蔵」客室。客室から蔵全体を見渡せる贅沢な90平米の空間。複数グループで宿泊したら、またとない体験になりそう。

--12:30~14:00
次は、泊まるなら“NIPPONIA佐渡相川”にしよう、と決意したところで、北沢浮遊選鉱場跡へドライブ。某スタジオジブリ映画に出てきそう、というウワサの観光名所です。カーナビの設定で「北沢浮遊選鉱場跡」が表示されない場合は、「相川技能伝承展示館」で登録するのもあり。相川地区の伝統工芸である「裂織り(さきおり)」が飾られている資料館です(織物体験には予約が必要)。

国史跡 北沢浮遊選鉱場跡。芝生にブランコが置かれ、のんびりできました。敷地内には「北沢Terrace」というカフェもあり、軽食やドリンクをイートインできます。

佐渡金山は、北沢浮遊選鉱場跡から車で約5分。観光ルートにより入場料金が異なり、所要時間約30分の「宗太夫坑 江戸金山絵巻コース」は大人1,000円。江戸時代の初期に、なんと手掘りで開削されたという坑道「宗太夫坑」を歩いて進めます。坑内は薄暗いですが、階段の段差もゆるく、親子三代でも見学できそう。

--14:00~15:30
相川エリアからは、途中で「トキの森公園」に立ち寄りました。「トキの森公園」には、トキの生態や保護の歴史を学べる「トキ資料展示館」と、写真のようにトキの姿を間近で観察できる「トキふれあいプラザ」があります。島内で暮らすトキを眺めるなら、「トキの森公園」から車で約12~15分離れた場所にある「トキのテラス」が良いそうですが、時間の都合上、今回は断念。トキに出会えたあとは、両津港へ戻りました。

「トキふれあいプラザ」のガラスはマジックミラーになっているので、トキから人間の姿は見えないそう。ドジョウを捕らえる生き生きとしたトキに出会えました。トキは繁殖期が近づく頃から羽色が黒くなるそうで、今回は羽を広げたときの朱鷺色と、羽の黒色のコントラストを目にすることができました。

両津港から新潟港まで戻る際は、往路のジェットフォイルではなく、館内に軽食処があるカーフェリーをチョイス。この日乗船できたのは、16:05発のカーフェリー「ときわ丸」でした。席は2等船室(イス席)を押さえておきました。夕日に沈む佐渡島や新潟市内の夜景を眺められる時間の走行だったので、デッキには写真や動画を撮影する乗客の姿がありました。

軽食処の「佐渡ヶ塩ポテト」と牛乳ソフトを食べたくて、復路はカーフェリーを選びました。この日乗船したのは、カーフェリー「ときわ丸」。

■春は新緑、夏は海水浴…佐渡島 今後の混雑予想

かなり駆け足の旅程でしたが、混雑を避けたタイムスケジュールだったことが功を奏したのか、どの場所でも、落ち着いた環境で見学、飲食できました。現地の方に伺うと、3月上旬はまだ空いているところも多いが、春休みから島内は混み合うとのこと。ゴールデンウィークは新潟県内や遠方からの観光客も多く訪れるそう。レンタカーの数には限りがあるので、マイカーを利用しない場合は早めの確保が吉ですね。人混みを避けた旅行を検討中なら、佐渡島は閑散期の訪問が良いでしょう。

暖かくなり、新緑が輝く佐渡島の姿も見てみたいところ。次回はぜひ、泊りがけでのんびりと、公共交通機関を使った旅行を計画したいと思います。

 

【今回のひとり旅にかかった費用】※飲食代、施設入館料は除く
新潟~東京間 上越新幹線 指定席:片道7,380円(トクだ値30%OFF)、往復14,760円
新潟 市内ホテル 金曜から1泊 朝食付き:9,300円
新潟駅~新潟港間 路線バス:片道260円、往復520円(Suicaを利用できました)
新潟港~両津港 往路 ジェットフォイル:片道6,950円
佐渡島 レンタカー 6時間:8,360円
両津港~新潟港 復路 カーフェリー2等:片道2,860円
 合計 42,750円

--例えばこんなアレンジ&コストカット
・両津港には早朝から営業しているカフェがあるので、市内ホテルの宿泊プランは素泊まりにして、朝食は島内で楽しむ。
・新潟港~両津港間の移動は、往復ともカーフェリー 2等にすると往復5,720円。
・島内の移動を、レンタカーから新潟交通 佐渡のバス利用にチェンジ。バス乗り放題dayパスが便利。「佐渡1dayパス」は1,500円、「佐渡2dayパス」は2,500円、「佐渡3dayパス」は3,000円。
・佐渡島内のレンタカーは、空きがあれば1台6,000円台のリーズナブルなプランも選択肢。1台4,000円台のプランは佐渡空港の近隣にあるレンタカー店が提供しているプランで、佐渡汽船で島に渡る場合の利用は難しいので注意。


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※情報は、発行前日の情報をもとにトラベルズー編集部が独自にリサーチしたものであり、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
※写真はイメージです。一部、トラベルズー編集部撮影画像を含みます。

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