覆面辛口レビュー【フレンチ】 最先端“分子美食学”編

2016/08/21

トラベルズー編集部員が覆面で潜入し、「このプラン本当にお得なの?」「本当のところどうなの?」という読者の疑問や不安を吹き飛ばすべく、身を以て検証する「覆面編集部辛口レビュー」。好評につき今回のお題は…

「50%OFF」「独占割引」…となにやらお得そうなワードが並んでいるものの、だからこそ「本当に定価の50%OFFなの?」「いい店が割引するはずない」と疑ってしまうのが人の世というもの。長年トラベルズーで本当にお得かどうかのリサーチをしてきた身としては、自信を持っておすすめできるものだけを掲載するというプロセスを知り尽くしており全プラン胸を張って勧められるものの、「お得そうではあるけれど量も質も本当に通常通り?」「クーポン利用ってサービス悪くないのかしら?」と思われることももしかしてあるのでは、と思い、潜入取材を敢行しました。同行者の名前で予約し、トラベルズー編集部員であることはお店側には一切バレないようにと気を張って、ドキドキしながら体験してきたその結果は…。


検証:伝説の『エルブジ』発祥の“化学実験”、8,800円を出す価値あり?

数あるプランのなかから私が一目惚れしたのがこちら。 ¥8,800 -- 独占 ミシュラン名店出身シェフ×モダンガストロノミー 熟成黒毛和牛ほか1.3万相当の11品フルコース※販売終了となりました。現在販売中のLocal Dealsはこちら

わずか50席に年間20,000件もの予約が殺到したといわれる伝説のスペインレストラン『エル・ブジ』、「世界のベスト・レストラン50」で栄えある1位に4度選出されているデンマークの『noma』など、世界のそうそうたるレストランが手がけている“分子美食学”。この目で見たいと思い続けて早何年… Local Dealsに初登場したこの機会を見逃さない手はありません。私が憧れていた「試験管」や「煙もくもく」は果たして体験できるのでしょうか?


検証結果は最後にお伝えするとして、最初にお断りしなければいけないのが、写真や詳細は最小限になるということ。なぜならモラキュラー・クッキング(分子料理)の醍醐味は、目の前で繰り広げられるサプライズ。ここでネタバレするわけにはいきません。そのため、メニューはメニューに書かれている通りの情報にとどめ、感想主体でレビューをお送りします。


第一声は「キャー」

席に着くと、当日のメニュー「le plat surprise」がテーブルに置かれています。surpriseの文字に早速ワクワク。メニューの裏には私たちの名前と手書きのメッセージが! 毎日たくさんのお客様を迎えるなかで、名前入りのメッセージを手間をかけて書いてくれるその心遣いにじんわり…。

コースは全11品。あらかじめテーブルには木の板がセットされ、その上に各皿が置かれていきます。まずはAmuse Bouche「始まり」から、なのですが、一緒に運ばれてきた食前酒に「キャー」と興奮。これから訪れる方のために詳細は伏せますが、「え?これがですか?」と聞き返してしまうなど、初体験でした(行けばわかりますが、写真にはおさめられませんでした…)

さて肝心の1皿目「始まり」は、ポタージュ(左)とブーケ(右)と。ポタージュのこの鮮やかなピンク色!ポタージュの上に浮かんでいる“ふわふわ”との相性が絶妙すぎて、この天国のような未体験の味わいは一体何なのだろうとスプーンが止まりません。

(C) Natsuko Arai (以下同)

そしてブーケは、コーンに入ったアイスクリームのような仕立て。かぶりつくのがもったいないほどに、きらびやか且つ繊細なつくりです。

ミニチュアサイズなのに、“食べた感”あります


本日のグラスワイン白を注文したところ、なにやらグラスがいびつ…?と思いきや、「万能グラス」といって赤ワインでも白ワインでも1つのグラスで両方を楽しめる構造になっているものだそう。中身によって飲む向きを変えて楽しめるというのが乙です。


東京の中心で森を食べる

さて2皿目は、「鉢植え」。農園直送の有機野菜が、鉢に見立てた器にてんこ盛り。鉢植えの中にはちゃんと“土”が入っていて、その“土”も余すところなく食べられます。そしてお皿の上には“苔”の演出も。これも全部、野菜にまぶして食べることができます。鉢から野菜を掘り起こして食べていくのは、昔遠足でやった芋掘り体験を彷彿とさせます。土からとって食べる、日常でも間接的に行われているその行為がダイレクトになると、野菜の持つパワーをよりダイレクトに感じられました。それぞれの野菜に主張があって、まるで森を食べているかのような感覚。

香る甘さ、立ち上るほろ苦さ、パキッという音…五感を駆使しながら、土の中に眠る宝探しの気分


未知との遭遇!?

3皿目は「薫り」。このお料理のメインはあるお魚だったのですが…人生で初めて口にしました。なかなかお目にかかれない、少なくとも私はこの時初めて食べる魚。複数の種類があり、どれも「薫り」の名の通り、熟成や燻製の風味を感じられます。この一皿にもある仕掛けがあるのですが…実際に目で見てのお楽しみにとっておきます。

さて、ここで間違いさがし…「おや?」と思ったところに秘密が隠されています


人生最高のマリアージュ

さて4皿目、「再生」。ズワイガニがメインの洋風茶碗蒸しです。カニとキノコがこんなにマッチするなんて…この一品は悶絶級。知らなかった組み合わせに、新しい世界を感じられた瞬間でした。

あまりキノコが得意ではない私が悶絶するほどのマリアージュでした…


気分は理科の実験です

途中、この試験管が運ばれてきます。これらを駆使(?)しながら、お料理とパンを好きな味で楽しめる仕組み。

高校生以来!? 十数年ぶりにスポイトと試験管に触れました


魅惑のパウダーの正体とは

5皿目は「闘争」。この日はまるで清流を駆け上がるかのような泳ぎ鮎。秋の風情を感じる盛り付けに、もみじ形の絵が。このもみじ形、思いもよらないものでできています。これがまた鮎のいいアクセントになり、一層引き立てる隠し玉に。

もみじを形どる白の物体の正体は…予想外&初めて出会うものでした


フィナーレは脇役に注目

そしていよいよ6皿目、「火山」のお目見え。35日間熟成させた黒毛和牛、この日はイチボでした。来店前から50~60度で火入れをし、今か今かと出番を待っていたとのこと。お肉のやわらかさ、味わいは語るまでもなく、注目すべきはそのお肉のおいしさを2倍3倍に膨らませる脇役たち。左上が火山に見立てたあるもの、レンゲによそわれたのがエスプーマという機械を使ってつくられた泡、右下が私でもその名を知る超有名ワインでつくられた○○…と、全貌をお伝えできないのが苦しいのですが、これはぜひ現地で直接説明を聞いて、お肉とのフュージョンを確かめてほしいシーンです。

3種類のアクセントとのフュージョンは、“メビウスの輪”状態を引き起こします


お水はこんな斜めのグラスでやってきました。スイスの登山鉄道で実際に使用されているもので、急勾配と同じ角度でつくられ、車内でこぼれないようになっているとか。発明した人、頭いい…! スイスに思いをはせるような、ちょっとした旅情が漂いました。


お口直しには4種のチーズが。アジアでここだけというアゼルバイジャン産のはちみつやドライフルーツとともに。そして左に移っている黄色い物体もチーズを楽しむアクセントになるのですが、これまた初めてお目にかかりました…。

チーズは食べやすいものから強烈なものまで。このスタイルは個性を楽しむのに最高


最後にデザート登場。このシーンにはハラハラしました。「写真を撮ったらすぐ30秒以内に食べてください」との一言があり、慌ててシャッターを切り慌てて口に運びました。このハラハラは日常では体験できません。


そして最後の一皿がこちら。これにプチフールもついてきます。最後の最後までおいしかった…。


2時間半のショーを終えて

さて、約2時間半をかけて楽しんだ全11品。一皿一皿に「ワッ」と驚いたり「キャー」と声をあげたり「うう…」と悶絶したり、あっという間でした。フレンチのフルコースでは、時間をかけて会話を楽しみながらゆっくりと過ごせるのがポイントですが、このフルコースは趣向が異なります。お皿が運ばれてくる度に期待が高鳴り説明に聞き入り手を動かしてさらに発見があるというループは、さながらアミューズメントパークにいるような高揚感が満載。待ち時間も含めて(実際にはちょうどよい間隔で運ばれてきたので全く待っていませんが)、そこにいる時間そのものがエンターテインメントでした。食事でこんなに興奮と感動を覚えたのは初めてです。忘れられないであろうモラキュラーデビューとなりました。


結論:相場2万円は下らないなか、お買い得すぎる食の遊園地

オーナーによると、モラキュラークッキングを楽しめるのは、世界有数の美食都市・東京でもまだ数えられるほどだとか。技術だけでも独創性だけでも成立しない、そのどちらもが備わって初めて成り立つ分子美食学。その条件の厳しさとかかる手間暇ゆえ、限られたお店でしか楽しめないのが現状です。ディナーとなると、軽く1人20,000円オーバー。しかも分子料理は自宅はもちろんどこでも楽しめる内容ではないので、そのモラキュラーを上質な食材とともに8,800円で体験できるのは、今を逃したらそうそうないと思います。

今回『クレアバックス』がトラベルズーに初登場したのは、今年4月にオープンしたばかりだから。ニューオープンのお店がその存在を知ってもらうにあたり、プランを厳選して掲載しているトラベルズーを選んでくれました。実際にニューオープンのお店をトラベルズーが掲載すると、食べログの点数がぐんぐん上昇し3.5以上になることがしばしば。このお店もそんな予感がぷんぷんします。クチコミでも「予約が取れなくなる前に行っておくべき」「驚きと感動の連続」という称賛の声がぞくぞくと寄せられ、名店と評判になるのは時間の問題でしょう。

“先物買い”、しかもほかでは一切割引をしていないお得さで通常コースを味わえるこの機会を活用できた私は幸せ者だなあと心底思ったひとときでした。(女性が気になる化粧室など含め、辛口チェックを試みましたが、何ひとつ減点ポイントがありませんでした…よってデレデレレビューになってしまったのはご愛敬)


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※情報は、発行前日の情報をもとにトラベルズー編集部が独自にリサーチしたものであり、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
※写真はイメージです。

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