2022年旅行トレンド大予想…グランピング戦国時代、日常+αのプチ贅沢ほか

2022/02/03

2022年も早1か月が過ぎました。新しい生活様式や働き方が浸透しつつあった2021年は、ニューノーマル時代にふさわしい「ステイケーション」「ワーケーション」「グランピング」「サ旅」などの旅行スタイルが注目されました。

続く2022年はどんな旅行スタイルが流行るか、トラベルズー編集部が大予想。“旅のプロ”である編集部にアンケートを実施し、2022年の旅行トレンドの予想をききました。昨年の旅行トレンドは継続するか、それとも新スタイルが台頭するか…。様々な予想が飛び出したので、ぜひご覧ください。トラベルズー編集部からトラベルズーメンバーへの、旅行スタイルの提案もあります。


■まずはおさらい、2021年の旅行トレンド

昨年の流行トレンドキーワードは下記の通り。それぞれ簡単に振り返りましょう。

マイクロツーリズム:自宅から1~2時間程度の移動圏内で観光する、近距離の旅行スタイル。感染症拡大の影響を受け、地元の観光資源を見直す動きが潮流を作りました。移動手段は自家用車が中心。

ワーケーション:「Work(ワーク)」と「Vacation(バケーション)」の造語。リゾート地や地方など、普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇を取得する旅行スタイルのこと。2021年に入ってからは官民連携の動きが活発化し、多くの自治体からワーケーション情報が発信されました。和歌山・南紀白浜は今や“ワーケーションの聖地”。静岡・浜松、神奈川・逗子、「うどん県でワーケーション」を掲げる香川など、“ワーケーションフレンドリー”な地域の施策は一度チェックしておきたいところ。

ステイケーション:「ステイ(stay・滞在)」と「バケーション(vacation・休暇)」の造語。本来は遠出して旅行を楽しむ「バケーション」ですが、近場のホテルに滞在し、非日常を過ごす旅行スタイルのこと。例えば、都内在住者が丸の内の5つ星ホテルに滞在したり、横浜在住者がみなとみらいのシティリゾートに家族で宿泊したり、など。

グランピング:「グラマラス(glamorous)キャンピング(camping)」の略。豪華なテントやコテージ、ロッジなどに宿泊し、ホテル並みの快適なサービスを受けながら、BBQや焚火など、キャンプの魅力である自然との触れ合いも楽しむ旅行スタイルのこと。2021年は三密回避の視点からもグランピングが多くの注目を集め、新規参入施設も多く見られました。ちなみに、自宅のベランダで行うグランピングは「ベランピング」と呼ばれます。

サ旅:「サウナ旅」のこと。全国各地のサウナ施設を巡る、サウナを目的とした旅行スタイル。定期的にサウナに入ることは「サ活(サウナ活動)」。トラベルズー編集部にも熱狂的な“サウナー”がいます。

ひとり旅、1人旅、一人旅:2021年は三密回避の視点から同行者を伴わない一人での旅行スタイルが注目されました。トラベルズーが2021年2月に実施したメンバーアンケートによると、79.3%がひとり旅経験者でした。

「ずらし旅」:JR東海が2020年から提唱している国内旅行キャンペーン。三密を回避し、安全安心な旅行を推奨するため、一般の混雑ピークから時間や場所、行動をずらした旅行スタイルを推奨しています。例えば、週末や連休でなく平日に旅行し、旅先では早朝など空いている時間を活用するなど。2021年にはニューノーマル時代の旅行のヒントとして定着しました。


■トラベルズーが議論、2022年の旅行トレンド

2021年の旅行トレンドを踏まえ、トラベルズー編集部は今年はどのような旅行スタイルが流行すると考えているでしょうか。

-- 2022年に支持を集めると思う旅行トレンド、最多はマイクロツーリズム

編集部で最も多かった回答は「マイクロツーリズム」。2021年に続き、地元旅行需要は継続するとの考えが半数。「(新型コロナウィルスの治療薬が一般に普及するまでは)引き続き感染対策に気を配りながらの旅行になる。そのため、近場での消費行動は活発な状況が続き、移動距離が短くなる」とのコメントのほか、「高い注目度が続く」との意見も。マイクロツーリズムの好調が続けば、「公共交通機関ではなくマイカーやレンタカー利用も増える」というコメントも見られました。

--「グランピング」も継続予想、一方で心配も…

2021年に注目されたグランピングは、引き続き2022年も旅行トレンドになるとの予想も多く見られました。評価されている点は、三密回避という衛生面と非日常感。直近2年ではグランピングに新規参入するホテル旅館、企業が増加しており、相対的にグランピング施設のメディア露出が高まることで「トレンドとなる」との意見もありました。しかし、その一方で「グランピングは戦国時代」との指摘も。グランピングサイトの増加により旅行者の選択肢が増え、グランピング需要は全国に分散。グランピング施設にとっては、“天下分け目”の1年となる可能性があります。

--「家族旅行」に注目、感染症拡大に配慮した旅行スタイル

小さな子供を持つ編集部員は、家族旅行に熱視線をおくっています。「昨年と一昨年は旅行自粛が多かったので、今年こそ旅行へ!と思っている人が多いかも。その一方で、感染リスクの懸念もあることから、家族での旅行(夫婦または子連れの1世帯単位)で、家族や親戚などに会いに行く…など、身近な旅行が多い」との予想が。「楽しむだけでなく、家族との特別な思い出や自分の成長への学び」など、目的がある家族旅行への期待が寄せられました。普段から接触のない人とではなく、生活を共にする家族との旅行に注目です。

--「日常+α」の“ちょっといい体験”

ステイケーションにあわせ、日帰り旅行やアクティビティなど、さくっと出かけて気軽に非日常を味わえる「“ちょっといい体験”が流行るのではないか」との予想がありました。日帰り旅行や地元を含むマイクロツーリズム圏内を舞台にしたアクティビティなら日程の調整もしやすく、気軽に参加できるのがメリット。旅行を自粛している場合は、小回りの利く“プチ贅沢”から旅行を再開する可能性がありそうです。


■編集部が推薦、メンバーに薦めたい旅行スタイル

トレンド予想に加え、トラベルズー編集部が“旅のプロ”の視点からトラベルズーメンバーに挑戦してほしいと思う2022年の旅行スタイルも募集。意見を抜粋し、その理由とともに紹介します。

クルーズ旅行:アフターコロナに向け、クルーズ各船会社が新しい安全管理規定を打ち出しています。2020年には日本最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」がリニューアルを終えたほか、今年5月にはザ・リッツ・カールトン ヨットコレクションによる新造第1船「エブリマ」が就航予定など、実はニュースが盛りだくさんのクルーズ業界。「食・移動・宿・観光の要素が一体となったクルーズは、体験してみると本当にお得度が高いと感じられると思う。欧米ではシニア層に需要が高い旅行スタイルなので、今からクルーズの良さを感じて、今後の旅行スタイルの1つにしてもらえれば」。

国内旅行全般:ビフォーコロナでは、平均して年3回は国内、年2回は海外旅行に出かけていた旅好きが集まるトラベルズーメンバー。そんなメンバーに向けて「まだ気軽に海外へは旅行に行きづらいと思うので、国内旅行で海外旅行気分を愉しんでもらいたいなと思います」とのメッセージがありました。「今まで行ったことがない国内離島を訪ねてみたり、国内ホテルだけど海外からのスタッフが多いクラブメッドに行ってみたり、海外リゾートをモチーフとしたホテルに泊まってみたり…。海外旅行が完全復活するまで、“妄想海外旅行”を楽しんでください」。

ステイケーション:2021年から続くトレンドですが、「興味関心が高い一方、実際に体験したことがない人が多い可能性があり、市場の伸びしろを感じる」ことから「今年こそステイケーションを」との推薦がありました。最近は5つ星ホテルなどがステイケーション用に特典を設けたプランを販売しているケースも見られ、憧れのホテルで非日常体験を過ごすチャンスと言えそうです。

地元再発見の旅:従来の国内リゾート、著名観光地ではなく、「第二の故郷探し」を目的とする地方再発見の旅を推奨するコメントがありました。近年は「ハイパーローカル(超地元密着型)」を掲げる地方の名店や宿泊施設を特集するメディアも増えつつあります。その土地ならではの空気や味、人との繋がりに価値を見出そうとする旅行スタイルは要チェックを。

分散型ホテル:ある地域全体を大きな宿泊施設として見立てる発想のこと。例えば、町に点在する建造物を宿泊施設としてリノベーションし、地域内にフロント機能や客室棟を分散させたり、飲食提供機能を地域の飲食店が担ったりするものです。町や地域一帯がひとつの宿泊施設として旅行者を迎え入れる形態を指し、発祥のイタリアでは「アルベルゴ・ディフーゾ」と呼ばれています。日本の例は兵庫・丹波篠山の『篠山城下町ホテルNIPPONIA』や京都・四条の『ENSO ANGO』、岡山・矢掛町の『矢掛屋』など。地方再発見を目的とする旅では、より深い理解のために分散型ホテルを選ぶといいかもしれません。

JALどこかにマイル:ピンポイントでサービス名があがった「JALどこかにマイル」。通常の特典航空券(往復)は12,000マイルが必要なところ、往復航空券が通常の半分以下の6,000マイルで交換できる仕組み。4つの行き先候補地が提案され、行き先は申込みから3日以内に候補のなかからどこかに決定されます。Peachの5,000円ガチャ「旅くじ」、東武鉄道の「ホテルガチャ」など、冒険要素の高い旅行スタイルに挑戦してみては(詳細は提供元に要確認)。


「あの旅館に行きたいな」「海外旅行の再開が待ち遠しいな」と、次の旅行計画に心を躍らせる自分がいる一方、感染症拡大のニュースを見るたびに旅行気分が消え去ることもまた事実。トラベルズー編集部は、これからも未来の旅行選びに役立つ旅と観光のニュースを配信して参りますので、疲れたら“お休み”しつつ、気楽にニュースを眺めてもらえたら…と願ってやみません。

編集部内からも、「今すぐの予約には繋がらなくても、トラベルズーメンバーの旅のWishリストに残り、いつか行きたいというモチベーションの向上に繋がる“知る人ぞ知る旅行体験”を伝えたい」という声があがっています。旅行トレンドに乗るのも良し、独自スタイルを貫くのも良し。旅行情報のGETには、引き続きトラベルズーをご覧いただければ光栄です。


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Aki Sato:
落語・講談を愛する旅行業界出身の元ニュース編集者。健康のためにダイエットを再開しました。


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