【気になるニュース】世界遺産登録“暫定リスト”追加なるか?

2021/02/11

2021年1月末、政府が世界文化遺産の国内候補が並ぶ「暫定リスト」に新候補を追加する方針を固めたとする報道がありました。実はこの「世界遺産」、登録にはおおまかに分けて5つの前提条件があり、ここで言う「暫定リスト」への追加は世界遺産リスト登録への“登竜門”とも言える大切な一歩なのです。

一体どんな候補が追加されるのか、今からワクワク・ドキドキしますね。今回はその「暫定リスト」の記載遺産一覧と、同リストへの追加検討を呼びかけている遺産を紹介します。


■世界遺産登録 キホンのキは「暫定リスト」

世界遺産に登録されるには、大きく分けて5つの前提条件をクリアしている必要があります。

  • 世界遺産登録の5条件
    • 遺産の保有国が世界遺産条約の締結国であること
    • 遺産があらかじめ各国の「暫定リスト(暫定一覧表)」に記載されていること
    • 遺産を保有する締約国自身からの推薦であること
    • 遺産が不動産であること
    • 遺産が保有国の法律などで保護されていること
彦根城 イメージ

文化財や自然の世界遺産登録を目指すには、まず国が世界遺産条約を締結し、暫定リストを作成のうえ、ユネスコの世界遺産センターに提出する必要があります。つまり、世界遺産の登録には各国内の「暫定リスト」に登録される必要がある、ということ。2021年2月現在 、日本の暫定リストには文化遺産6件、自然遺産1件の計7件が登録されています。

No. 資産名 所在地 記載年 区分
1 古都鎌倉の寺院・寺社ほか 神奈川県 1992 文化
2 彦根城 滋賀県 1992 文化
3 飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群 奈良県 2007 文化
4 北海道・北東北の縄文遺跡群 青森県、北海道、
秋田県、岩手県
2009 文化
5 金を中心とする佐渡鉱山の遺産群 新潟県 2010 文化
6 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-(拡張) 岩手県 2012 文化
7 奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島 鹿児島県、沖縄県 2013 自然

各国の推薦上限は、自然遺産・文化遺産を合わせて1年に1件まで(2020年審議対象から)。このうち、「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」と「北海道・北東北の縄文遺跡群」は世界遺産センターに推薦済みです。狭き門ではありますが、世界遺産の登録には、とにもかくにも「暫定リスト」への追加がマストと言えます。


■「暫定リスト」への追加を要請している遺産の例

今回のニュースで政府が見直すとしているのは、まさにこの「暫定リスト」。追加登録を呼びかけている遺産のうち、いくつかピックアップしました。トラベルズーでも馴染み深い観光エリアにある遺産も含まれているため、“未来の世界遺産”候補を見る旅に出かけるのも良さそうです。

偕楽園 イメージ
  • 史跡足利学校を含む「近世日本の教育遺産群」(栃木県、岡山県ほか)
    史跡足利学校(栃木)、閑谷学校(岡山)、咸宜園(大分)、豆田町(大分)、弘道館(茨城)、偕楽園(茨城)の4県6資産が申請されています。閑谷学校や偕楽園は観光名所としても知られ、訪れたことがあるトラベルズーメンバーもいるのでは。
  • 長崎市立城山小学校(長崎県)
    旧城山国民学校。爆心地から西に約500メートルの地点にあり、現在は被爆資料を展示する平和祈念館として開放されています。爆心地や浦上天主堂旧鐘楼などとともに「長崎原爆遺跡」として国指定史跡に指定されており、世界遺産登録に向けた活動が進められています。
阿蘇 イメージ
  • 阿蘇(熊本県)
    1県7市町村により、阿蘇の草原を中心とした文化的景観の世界遺産登録が呼びかけられています。構成資産は、信仰の対象や神話の舞台となった阿蘇五岳、県下最大級の前方後円墳「中通古墳群」、江戸時代に使われた歴史の道である「豊後街道」など。
  • 綿帯橋(山口県)
    日本橋、眼鏡橋と並び、「日本三名橋」に数えられる、木造のアーチ橋。石造りのアーチ橋はほかにもあるところ、錦帯橋は桁(けた)や棟木(むなぎ)などの部材を組み合わせた唯一無二の造りである点がポイント。岩国市は錦帯橋を含む見所を4K映像で公開しており、オンライン上でもその構造美を愉しめます。

暫定リスト見直しの検討が本格化するのは3月以降となる見込み。「暫定リスト」には今回紹介した遺産、またはそれ以外から追加されるのか、今後の動向からも目が離せませんね!

※新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年の世界遺産員会は開催が延期されています。次回は2021年6・7月に中国で開催予定で、2020年と2021年、2年分の登録審査がまとめて行われる予定です。

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Aki Sato:
ジャンクフード(お休み中)・競馬・落語・講談を愛する旅行業界出身の元ニュース編集者。健康のためにダイエットを再開しました。


※情報は、発行前日の情報をもとにトラベルズー編集部が独自にリサーチしたものであり、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
※写真は奄美大島のイメージです。

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